2022年夏リリースのADAM Audio Aシリーズから、中間モデルのADAM A7Vを徹底レビュー!DSP音響補正機能を搭載したモニタースピーカープロは、Sonarworks Sound ID Referenceと強力に連携。価格も競合他社製品に比べてお得で、音楽制作スタジオやイベントスペースに最適。この記事でA7Vの魅力を詳しく解説します。
ADAM A7Vのレビュー|最強の音響補正
本日は2022年夏にリリースされたADAM AUDIOの新しいモニタースピーカーシリーズADAM AUDIO AシリーズからADAM A7Vのレビューをお届けします。
まず最初にADAM A7Vを使ってみた結論からお伝えすると、僕が何度も強く強くお勧めしている、音響補正ソフトSonarworks Sound ID Referenceと強力に連携する今流行りのDSP補正機能搭載のモニタースピーカーです。
また、ADAM A7Vのメリット・デメリットを端的に紹介すると、以下の通りとなります。
ADAM A7Vのメリット2つ
- 横置きに対応している
- 価格が安い
ADAM A7Vのデメリット2つ
- 低音域があっさりしている
- 単体使用は向いていない
ADAM Audio A7Vの価格
ADAM Audio A7Vの価格は、91,300円(税込)です。(2023年10月31日時点)
ADAM Audio A7VのスペックとAシリーズのラインナップ
まずはADAM AUDIO AシリーズのラインナップとA7Vのスペックをご紹介します。ADAM AUDIO Aシリーズのラインナップは全てで以下の5機種です。
- ADAM A4V
- ADAM A44H
- ADAM A7V
- ADAM A77H
- ADAM A8H横型モデル
製品ページに記載されている製品の特徴を見ると、豊富なバリエーションと後ほどご紹介する音響補正機能は、音楽制作スタジオでの使用だけでなく様々な空間とマルチチャンネルでの使用に対応するためのものであるということがわかります。
その他にもTシリーズのADAM a5vなどの展開もあります。
ADAM A7Vの詳細なスペック
A7Vの詳細なスペックはご覧の通りです。ツイーター部のカバーはネジを緩めることで取り外すことができ、90度回転させて取り付け直すことで横置きにも対応しています。
DSPの音響補正機能と設定
続いてDSPの音響補正機能について詳しくご紹介していきます。本体のバックパネルをご覧ください。まずボリュームノブに入力切り替えのボタンを押すと、XLRの入力とRCAの入力を切り替えることができます。
イーサネットポートを使用する際の使い方について、まずボイシングボタンで3つのモードの中から好きなモードを選択します。
各モードの特徴と調整
PureモードとUNRモードでは4つのEQポイントをブレストカットで調整することができます。EXTモードを選択した場合にはこの4つのEQのボタンはランプが消灯して使えなくなります。
Pureモード時の音については、伸びやかな中高音域が印象的で、パキッとした分離感のあるサウンドでセンターの音がぼやけずに真っ直ぐセンターから聞こえてくるのがいいなと感じました。
UNRモード時の音の評価
UNRモード時の音については、Pureモードとわかりやすくキャラクターが違っていてかなりやんちゃな音になります。リスニング時や音楽制作でも作曲の時に向いている音だというふうに感じました。
ADAM Audio AシリーズEXTモードについて
ADAM AUDIO Aシリーズの最もの売りであるEXTモードについて詳しくご紹介していきます。コンピュータにこちらのAControlソフトウェアをインストールし、スイッチングハブやWi-Fiルーターなどを介してコンピュータとスピーカーをイーサネットケーブルで接続します。スピーカーが認識されると、このようにソフトウェア上に接続されたスピーカーの設定画面が表示されます。
AControlソフトウェアの機能
AControlソフトウェアには、こちらの「Adaptation」というボタンと「Pure UNR」の切り替えボタンがあります。バックパネルのボタン操作をリモートコントロールできることに加えて、アドバンスモードでさらに細かなEQ調整を行うことができます。
EQ調整の方法
実際にやってみましょう。全部で6バンドのEQになっています。EQのタイプを選択して、周波数ポイントを設定していきます。これは数字で入力することも可能です。そしてゲインの調整も0.1dB単位で可能です。
Qの設定とディレイ・レベル調整
そしてQの設定。こちらもかなり細かく設定できます。最大6つのバンドを同時に使用することができる。さらに個別でディレイとレベルの調整もできます。
Sound ID Reference機能
この「Sound ID Reference」のボタン。これをクリックすると、Sound IDでエクスポートした周波数特性のデータを読み込むことができます。今は1月5日に測定したフラットのデータをアクティブにしているという状態です。読み込めるデータは、このフラットターゲットのデータだけでなく、カスタムターゲットモードでのデータや、トランスレーションチェックでのデータも読み込むことができます。
ADAM Audio A7Vの魅力
最後に総評を行いたいと思います。ADAM Audio A7Vの魅力は、何といってもDSPによる補正機能です。Sound ID Referenceと組み合わせることでその力を最大限に発揮しますが、先ほど見ていただいたように、アドバンスドモードによる補正だけでもかなり細かいところまで詰めることができます。
Sound ID Referenceとの組み合わせ
Sound ID Referenceを組み合わせると、まさに鬼に金棒状態です。アプリケーション版のSound ID Reference使用時に、ネックとなってくるレイテンシーの問題とゲインマッチの問題に悩まされることなく、設置する部屋に合わせた最適な補正が施されたサウンドを得ることができます。スピーカーとコンピューターを常時接続状態にしておけば、AControlソフトウェアを使って複数の設定を切り替えて、ミックスマスタリングを行うことも可能です。
日本の音楽制作家の環境
個人的には6畳1間のよくある日本の音楽制作家の環境では、積極的な補正というのはなくして、フラットな音響というのはありえないと考えています。
去年から僕は部屋の模様替えと音響測定ばっかりやっているのですが、必ずどこかに嫌なピークが発生します。特に映ってるような広めのデスクというのが与える影響をどうやっても回避できないです。そうなるとDSPで補正するしかないです。
モニタースピーカープロDSP補正機能の重要性
ここ数年でDSPの補正機能がついているスピーカー、このジャンルはかなり盛り上がりを見せています。他にもいくつかの有名メーカーがDSP補正機能を搭載したスピーカーをリリースしていますが、ADAM AudioのAシリーズは競合他社製品と比べて価格が一段安く抑えられるところが大きなメリットだなと感じます。
また、ADAM AUDIO Aシリーズの中古も出回っているので、ってに入れやすくなっている点も良いところです。
価格面での優位性
価格面での優位性はスピーカーの本数が多くなればなるほど大きくなってきますので、サラウンドのミックス、テンポやイベントスペースなどに音響設備を大量に導入するのもいいかもしれません。もちろん今言ったお話は素の音の良さがあっての話です。
またADAMAudioはYouTubeの公式チャンネルで音響に関するノウハウを積極的に発信してくれるのもいいなと思います。
低域超低域の音質について
気になる点としましては先ほども言いましたが、やはり低域超低域というのがあっさりしているところです。
楽器店などの多少ザワザワした環境での視聴でも、このADAM Audioのサウンドキャラクターははっきりわかると思うので、購入の前にはぜひ一度視聴をしてみることをお勧めします。日本での販売サポートがやや弱いかなっていう印象もありまして。そこは弱点かもしれません。
日本語版ユーザーマニュアル
英語でのインフォメーションはすごくしっかりしているのですが、日本語版のユーザーマニュアルはまだなくて、クイックスタートガイドだけです。
いかがでしたでしょうか?気になった方はぜひ、チェックしてみてください。最後まで読んでいただきありがとうございました。今後の記事もよろしくお願い致します。
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