2022年リリースの音響補正機能搭載モニタースピーカー、ADAM AUDIO AシリーズとIK Multimedia iLoud Precisionシリーズを徹底比較!それぞれの製品ラインナップ、価格、音質、音響補正機能の優れた点を解説。どちらがあなたにぴったりか、この記事で見つけましょう!
モニタースピーカー徹底比較レビュー
本日は音響補正機能搭載のモニタースピーカーである ADAM AUDIO Aシリーズと IK Multimedia iLoud Precisionシリーズの徹底比較レビューをお送りします。このような機能を持ったモニタースピーカーは近年増えており、トレンドになりつつあります。僕は今挙げた4つのメーカーを勝手に音響補正四天王と呼んでいます。
個人制作家にとっての音響補正
一般住居で音楽制作を行う個人制作家にとって、音響補正というのは必要不可欠だと僕は思っており、このジャンルの製品に非常に興味を持っています。
デモ機を試す経験
年末から年始にかけてADAM A7Vを、そして先日までiLoud Precision5、iLoud Precision MTMのデモ機をお借りし、それぞれ2週間ずつじっくりと試すことができました。
お勧めの選び方
その経験を踏まえて、ADAM AUDIO AシリーズとIK Multimedia iLoud Precisionシリーズを徹底比較し、どのような人にどちらがお勧めか僕なりの答えを出してみたいと思います。
個別レビュー動画の案内
それぞれ個別のレビュー動画もすでに公開していますので、こちらからぜひご覧ください。
製品ラインナップと価格の整理
まずはそれぞれの製品ラインナップと価格を整理しましょう。ADAM AUDIO Aシリーズは4インチ、4インチ横置き、7インチ、7インチスリーウェイ、8インチスリーウェイのラインナップです。IK Multimedia iLoud Precisionは5インチ、5インチスリーウェイ、MTMの3つのラインナップです。
環境音響補正機能の違い
こちらは環境音響補正を行うソフトで 部屋の環境を測定して音を補正してくれます。 対してIK MultimediaのiLoud Precisionシリーズは 同社の ARC 2.5 システムを使うことで環境音響補正ができます。
比較対象外のフラッグシップモデル
ADAM AUDIO Aシリーズに関してはA77HとA8Hの2つがフラッグシップと言えるモデルのようですが、この2つは一般住居で音楽制作をする個人制作家の部屋に設置するには大きすぎて現実的ではないということで今回の比較からは除外します。
価格帯の違い
今回比較する機種と価格を表にまとめてみました。こちらです。ご覧いただければわかると思いますが、ADAM AUDIO Aシリーズの方がワンランク安い価格帯となります。
比較①:スピーカーのサウンド
この2つの製品群、明確にサウンドキャラクターが異なります。ADAM AUDIO Aシリーズは中高音域に良さがある。音の分離や定位感がすごく良くて立ち上がりも明確です。パキッとキリッとしたサウンドが特徴的です。
低域の違い
ただし低域、超低域はかなりあっさりしてて60Hzあたりからストンと落ちてしまいます。ローはないです。諦めましょう。という感じのサウンドです. 対してIK MultimediaのiLoud Precisionシリーズは低域、超低域に良さがあります。
音楽ジャンルや用途に合わせた選択
量感、質感ともにサイズ以上のものを感じます。ADAM AUDIO Aシリーズと比べると全体的にややマイルドな音でムッチリとした印象です。音楽ジャンルや用途に合わせてチョイスするのが良いかなと思いますが、あるものを削ることはできるので、どちらかというとIK MultimediaのiLoud Precisionシリーズの方が、対応力は高いのかなと僕は感じました。
比較②:バックパネルの操作性
両製品群ともバックパネルのボタン操作でEQによる音の調整ができるのですが、これに関してはADAM AUDIO Aシリーズの方が直感的でボタン操作がしやすかったです。
比較③:音響補正のシステム
ADAM AUDIO Aシリーズは別売りのSONARWORKS SOUND ID REFERENCEというソフトと連携させるという形になります。こちらは環境音響補正を行うソフトで、部屋の環境を測定して音を補正してくれます。対してIK MultimediaのiLoud Precisionシリーズは、同社のARC 2.5システムを使うことで環境音響補正ができます。
ソフトウェアの購入と価格
製品登録時に60日間のフルバージョンのトライアルライセンスが付与されるのですが、継続的にこのソフトを使用したい場合は別途ソフトウェアを購入する必要があります。
ADAM AUDIO Aシリーズの自由度
SOUND ID REFERENCEの測定データを一旦エクスポートして、それをACONTROL SOFTWAREというスピーカーのコントロールソフトウェアに読み込むという方式なので、自由度はあまり高くありません。
iLOUD PRECISION SERIESの自由度
対して、iLOUD PRECISION SERIESはX MONITORという無料の専用ソフトで、測定から補正まで、そしてプロファイルの切り替えも行えるので、自由度がかなり高いです。
専用コントローラーの利点
別売りで専用のコントローラーがあり、4つのボタンでスピーカーの補正のオン・オフや、切り替え、ミュート、ディムなどの操作を行うことができます。
2チャンネルとマルチチャンネルの違い
2チャンネル、ステレオでの使用においては、IK MultimediaのiLoud Precisionのシステムの方がはるかに自由度が高いと言えます。ただ、サラウンドなどのマルチチャンネルへの対応という点では、ADAM AUDIO A SERIESに軍配が上がります。
スピーカー設置と接続の違い
具体的には、様々な場所、様々な高さ、角度で設置できるスピーカーのデザインです。コンピューターとの接続にインターネットケーブルを使用している点など、iLoud PrecisionシリーズはUSBケーブルでコンピューターとスピーカーをつなぐことになるのですが、お手軽ではあるものの、長いケーブルを用意しづらかったり、そのケーブルを処理しづらかったりという短所もあります。
比較④:音響補正ソフトの精度と機能比較
音響補正ソフトの精度と機能です。基本的にはどちらで測定しても同じような結果が出たのですが、XモニターよりもサウンドIDリファレンスの方が、やや信頼性が高いかなと僕は感じました。測定結果を見てもそうですし、細かな部分でも測定精度が高いことが分かりました。
比較⑤:価格比較
価格については冒頭でも話しましたが、ADAM AUDIO Aシリーズの方が一段価格帯が低くなっています。手頃な価格で音響補正機能搭載のスピーカーを導入したいという場合は、ADAM AUDIO Aシリーズの方が良いでしょう。
総評
それでは総評に行きたいと思います。サウンドIDリファレンスとADAM AUDIO Aシリーズの両方を比較しましたが、それぞれ守備範囲が違うのかなという印象を受けました。
IK MultimediaのiLoud Precisionシリーズ
近年のポピュラーミュージックの作曲、編曲、ミキシングに向いているのはIKマルチメディアのiLoud Precisionシリーズかなという印象です。ADAM AUDIO Aシリーズはローの無さっていうのをサブウーファーとかヘッドホンで補ってやらないとなかなか厳しいジャンルっていうのがあるかなというふうに感じました。
ロー音域の重視について
この記事でもずっとローがと言ってると思うのですが、そこはそんなに重視しなくてもいいよという用途はいくらでもあると思います。作曲編曲においても定期超定期がそこまで重視されないジャンルはいくらでもありますし、完パケまで持ってく必要がないという人は最終的にしっかりとしたスタジオのスピーカーでそこを確認すればいいです。
ADAM AUDIO Aシリーズの特徴
作曲編曲とか曲を作るという用途以外で正確なモニタースピーカーを必要とする人もたくさんいます。音の確認作業が重視される用途の場合には、ADAM AUDIO Aシリーズの方が細部が見えるなという印象はありました。
音響補正機能とコストパフォーマンス
とにかく音響補正機能が重要なんだと考えるならば、ADAM AUDIO Aシリーズの方が優秀だなと僕は感じました。Aシリーズにはコストパフォーマンスの高さを感じます。
マルチチャンネル対応の違い
マルチチャンネルでの使用を検討しているという方は、iLoud Precisionシリーズがマルチチャンネルに対応していません。マルチチャンネルを想定された作りになっていないので、自動的にADAM AUDIO Aシリーズになるかなという感じです。
最後に
いかがでしたでしょうか。最後まで読んでいただきありがとうございました。今後の記事もどうぞよろしくお願いします。ありがとうございました。また次の記事で。
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