自作PCの冷却性能にこだわるなら、NZXT KRAKEN X53がおすすめです。その優れた冷却性能と見た目の美しさは、多くの自作PCユーザーに支持されています。
しかし、そのすべてが完璧なわけではありません。説明書の読みづらさのバッドポイントも存在します。この記事では、クラーケンX53の良い点と悪い点を詳しくレビューし、あなたが自作PCを作る際の参考になる情報を提供します。
NZXT KRAKEN X53レビュー|美しく、最高に冷える
みなさんこんにちは、ふるちでございます。今回は、冷える簡易水冷を紹介します。
いきなりのネタバレになりますが今回購入したのはこちら。NZXT KRAKEN X53。海外YouTuberが簡易水冷を比較してる動画があって、最も冷えるって言ってたのが、このクラーケンになります。
まず最初に「NZXT KRAKEN X53」を使ってみた結論からお伝えすると、美しく、最高に冷える簡易水冷でした。
また「NZXT KRAKEN X53」のメリット・デメリットを端的に紹介すると、以下の通りとなります。
「NZXT KRAKEN X53」のメリット2つ
- ホースの取り回しが良い
- かなり冷える
「NZXT KRAKEN X53」のデメリット2つ
- 説明書が読みづらい
- ポンプやLEDの制御のためにはソフトを常駐させておく必要がある
NZXT KRAKEN X53の価格
NZXT KRAKEN X53の価格は、29,620円(税込)です。(2024年2月10日時点)
NZXT KRAKEN X53の紹介
NZXT KRAKEN X53を開封しましょう。説明書。ケースファン。ケーブル。インテル用のマウントパーツ。AMD用マウントパーツ。取り付け用ネジ。簡易水冷本体。TXZN。NVXT。
説明書の評価と組み立て時のエラー
AM5用のマウントパーツも入ってるし、必要十分って感じ。ただこの説明書はいけてないです。すごく読みづらい。何が書いてあるのか。何が書いてあればいいのか、全くわかりません。実を言うと、組み立ての時手順を少し少し間違えました。
PCケースのエアフローの種類と特徴
ところで皆さん、PCケースのエアフローにどのようなものがあるか、しっかりと覚えてますか?エアフローの種類には、静圧。負圧。この2種類があります。5秒で解説しましょう。まず、静圧。排気の流量より吸気の流量が多い状態のことを指します。内部の温度が上がりやすい。
ケース内部にホコリが入りにくい、という特徴があります。一方、負圧。排気の流量より吸気の流量が少ない状態のことを指します。内部の温度が下がりやすい。ケース内部にホコリが入りやすい。という特徴があります。
負圧の特徴と冷却性能
負圧とは、吸気より排気の流量が多い状態のことを指します。この状態では内部の温度が下がりやすく、ケース内部にホコリが入りやすいという特徴があります。普通、TDPが高いCPUを使う場合は負圧にすることが一般的です。
しかし、簡易水冷の場合はファンを吸気側に取り付けることで、冷たい外気がラジエーターに当たるようになり、よりCPUを冷やすことができます。実際にTDP65WのRyzen 5 3600で試してみると、負圧の場合でも十分な冷却性能が得られることがわかります。
TDPが上がると負圧の効果は薄れる
しかし、TDPが上がると途端に負圧の効果は薄れてしまいます。例えば、TDP105WのRyzen 5 7600を使用した場合、GPU温度が70度以上、CPU温度が80度以上になるという問題が発生します。
これでは、まさに灼熱地獄と言えるでしょう。過去の動画の結果を見ても、このような状況に陥っている人はほとんどいません。何かがおかしいと感じた私は、簡易水冷を疑うより他ありませんでした。
NZXT KRAKEN X53とルーメンの水冷システムの比較
そこで私は、NZXT KRAKEN X53という高性能な水冷システムを購入しました。ルーメンとクラーケンを見比べてみると、水冷ヘッドやラジエーターの構造に若干の違いがあります。しかし、どちらも高い性能を発揮することができるため、どちらが良いということは言えません。また、ルーメンの方が水冷ポンプがラジエーター側にあるため、放熱フィンの面積が大きくなり、放熱性能が高いと言えます。
一方、クラーケンの方が水冷ヘッドに内蔵されているため、放熱フィンのキッチがより詰まっており、冷却力の高いファンを使用することでより高い冷却性能を発揮することができます。
ホースの太さと冷却性能の関係
また、ホースの太さにも違いがあります。ルーメンの方が若干太めで、水の流量が多いため、より高い冷却性能が期待できます。
しかし、ルーメンとクラーケンはどちらも高性能な水冷システムであり、どちらを選んでも満足のいく冷却性能が得られると言えるでしょう。
NZXT KRAKEN X53を選んだ理由
結局、私はルーメンとクラーケンのどちらを選ぶか迷いましたが、最終的にはルーメンを選択しました。しかし、これはあくまでも私の個人的な意見であります。
最後に、ルーメンとクラーケンを見比べても、どちらが優れているということは言えません。重要なのは、自分の使用目的や予算に合わせて最適な水冷システムを選ぶことです。
ホースの取り回し性の違い
私は力任せに回しました。そのせいなのか、ルーメンのホースは硬くてケース内での取り回しが少し難しいです。うねうねさせてみるとこんな感じ。よくわからん。
曲げてみるとこんな感じ。これは一目瞭然。クラーケンのホースの方が圧倒的に曲がります。これならどのような狭い場所にもホースを通せそうです。小さいケースで組む人は、正直クラーケン一択なんではないでしょうか。
クラーケンの取り付け方法
クラーケンを容量11リットルのケースにぶち込んでいきましょう。まずはマザーボード側のマウントブラケットを取り外します。空いた場所にAM5用のスリーブを取り付けて、ネジを締めます。次に、これは水冷ヘッド。
インテル用のリテンションブラケットが付いているので、これを取り外します。取り外したら、AMD用のリテンションブラケットを取り付けます。回すだけで付けたり外したりできるので、ここは簡単です。
ケースファンの取り付けと延長ケーブルの選択
次はラジエーターにケースファンを取り付けます。黒いラジエーターに黒いケースファン。最高に、エモい。この後ケースファンのケーブルと延長ケーブルを繋ぐわけですが、付属の延長ケーブルは無駄に長くて取り回しが面倒です。
あと延長ケーブルだけ外観が妙に安っぽい。なのでここでは別売りの延長ケーブルを使います。こんな感じでケーブルの質感も合ってるので、付属品より見た目に一体感が出ます。これが800円。おすすめ。
ラジエーターのケースへの取付とマウントパーツの選択
次はラジエーターをケースに取り付けます。ここは配線とホースをいい感じにケースに通していくだけ。ラジエーターを乗せたら、あ、ラジエーターにケース用のマウントパーツを取り付け忘れてました。一瞬積んだと思いましたが、この段階でもマウントパーツを取り付けました。取り付けられるので、特に問題ない感じです。
皆さんは真似しないようにしましょう。あとマウントパーツの固定にはクラーケン付属のネジを使ったんですが、これだとケースの蓋が閉まりませんでした。こういうことが起こるので、ここはNVXTを信用せずに、なるべくケース付属のネジを使ったほうがいいです。
水冷ヘッドの取り付けと配線
そんなこんなで、とりあえずラジエーターの固定が終わりました。次に水冷ヘッド取り付け。CPUにグリスを塗りたくります。罰を付けられてばかりの人生を送ってきた私は、当然罰を受けたことはありません。点破。水冷ヘッドを押し付けて、ネジで固定します。普通はドライバーを使うんですが、私は力任せに回しました。
ネジがいい感じに太かったので手締めでいけちゃいました。これは握力30キロの乖離機である私にしかできないことなので、皆さんは必ずドライバーを使いましょう。あとは配線。ケースファンや水冷ヘッドのケーブルを、マザーボードに取り付けていきます。これで作業は終了。
完成とNVXTの評価
ペリペリを剥がして、完成。ぽち。さすがNVXT。美しい。水冷ヘッドのインフィニティミラーは誰もが知るメーカーの代名詞。このバイバイの見た目は、さすが多くの自作PCユーザーに支持されているだけはあります。
ホースが柔らかいから、こんな感じでホースを直角に曲げるような配置も楽勝。全国10万人の小さいケース好きの皆様、簡易水冷を買うならNVXTのクラーケンが、断然おすすめです。全国6000万人の簡易水冷好きの皆様、お待たせいたしました。
自作PCのスペックと温度検証の目的
ここからは温度検証です。検証機のスペックはこんな感じ。容量11リットルのケースにRyzen 5 7600XとRTX3070を詰め込んだ構成。ルーメンではCPU温度80度超えでしたが、クラーケンにすることでどれくらい変わるのかに注目です。
検証の条件と方法
なお、冷却性能を正確に比較するため、今回は付属のファンは使わず、どちらもノクチュアの定番ファンを取り付けました。検証は、ケースパネルはすべて取り付けました。ファンの回転数を揃えて実施しました。
まずはFF15ベンチ。設定はフルHD、最高品質。ベンチ1周目と5周目のGPU温度、CPU温度、ベンチマークスコアをそれぞれ比較しました。結果はこんな感じ。
NZXT KRAKEN X53の冷却性能の評価
NZXT KRAKEN X53の大勝利です。クラーケンにするだけで、CPU温度が10度も下がりました。おまけにGPU温度も若干ですが下がっています。TDP105WのCPUを冷え冷え、CPU温度を下げているときにしてくれる上に、取り回しも抜群にいい。
ついでに低負荷時の温度も比較しました。結果はこんな感じ。
クラーケンの低負荷時の冷却性能の評価
はい、クラーケンの、大大大勝利です。簡易水冷一つでここまで温度差ができるものです。ルーメンだと低負荷でもCPU温度が60度を超えていたんですが、クラーケンは38度でした。これならファン回転数を絞っての運用もいけそうです。クラーケン、最高。ルーメン、ダメダメ。ユーザーに支持されるにはそれなりの理由がある。 これが今回の教訓です。
そしてこの冷え冷えの簡易水冷に、ノクチュアのクソ高いファンを組み合わせれば、動作音はほぼ無音になります。 この構成、使え目で言って、最高。
冷却性能の差と製品の評価
今回は冷える簡易水冷を紹介しました。 240mmの簡易水冷。 製品によって冷却性能に意外なほど大きな差が見られました。フラクタルデザイン。 ルーメンS24。 ホースの取り回しが悪い。 CPUは冷えない。 つまり、ダメダメ。NVXT、クラーケンX53。 ホースの取り回しが良い。 CPU冷え冷え。 つまり、最高。
まとめ
高負荷がかかるような最新ゲームをプレイする人、ミニITXケースで小さいPCを組みたい人、NZXT KRAKEN X53が超絶おすすめです。
グッドポイント。 冷却性能、冷え冷えです。 バッドポイント。 説明書、読みづらすぎます。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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