自作PCの電源選びに迷っていませんか?今回は、HydroG Proシリーズ、FSP(Power never ends psu)の最新電源ユニット「Hydro TI Pro1000w(Hydro ptm pro ATX 3.0 Pcle 5.0 1000w)」を徹底解説します。そのスペック、選び方、そして実際の消費電力について詳しく見ていきましょう。自作PC初心者から上級者まで、必見の情報をお届けします。
Hydro TI Pro1000wレビュー|性能が素晴らしい!
まず最初に「Hydro TI Pro1000w」を使ってみた結論からお伝えすると、Hydro TI Pro1000wの性能が素晴らしいのは間違いないですけど、価格がかなり高めですし、最上位モデルなら100%必ずトラブルが起きないというわけでもないですから、すべての人におすすめできる製品ではないかなぁ。
実用性とロマン、自作PCで何を重視するかは人それぞれですし、何が間違いで何が正解というものではありませんからね。
また「Hydro TI Pro1000w」のメリット・デメリットを端的に紹介すると、以下の通りとなります。
Hydro TI Pro1000wのメリット2つ
- 性能が高い
- SATAとPeripheralが1本にまとまっている
Hydro TI Pro1000wのデメリット2つ
- 価格が高い
- 万人受けしない
Hydro TI Pro1000wの価格
Hydro TI Pro1000wの価格は、67,042円(税込)です。(2023年12月27日時点)
パソコンの電源容量について
あなたのパソコン、電源容量は本当に足りてますか?先日、YouTubeをいろいろ見てたんですが、初めての自作パソコン、ようやく完成しました!そのスペックにその電源容量じゃまったく足らねーよ!のようなコメントがいくつか書き込まれてて、別に問題ないのになーともやもや思うことがありまして。
電源ユニットの選び方と消費電力について
今回はFSPの最新電源ユニット、Hydro TI Proのプロモーションですが、ハイスペックなパソコンは実際どれくらい電力を消費するのかや、電源ユニットの選び方について改めてわかりやすく解説しました。例えば同じゲームを動かしたとき、4KとフルHDで消費電力はどちらが大きいと思いますか?電源選びで迷ったら大容量のいいやつを買っておけば間違いないってのが真実ではありますが、必要以上に強いやつを買ってももて余しちゃうだけですし、正しい知識で適切な一台を選べるようになってもらえたらと思います。
FSPの最新電源ユニット:Hydro TI Proの紹介
まずは今回の主役であるHydro TI Proを見ていきましょうか。基本的なところからおさらいしておくと、FSPは台湾の電源メーカーで、自作PC経験がある程度長い方ならだいたい知っている老舗メーカーです。自作PCで主流のATX電源を世界で初めて発売したのがFSPらしいです。最新規格であるATX3.0に対応した製品はたくさんあって、今回のHydro TI Proは最上位のハイエンドモデル。
Hydro TI Pro1000wの特徴とスペック
ただこれ、製品名だけだとどれが強いのか何がどう違うのかがすごくわかりづらいです。それぞれのスペックを整理するとこんな感じ。いずれもATX3.0、PCIe 5.0に対応した1000Wのモデルです。また、Hydro TI Pro850w(Hydro TI Pro ATX3.0 Pcle 5.0 850w)もあります。最近流行りのホワイトモデルはありませんが、以前参加したコンピュテックスでは展示があったので、もしかするとそのうち登場するのかもしれません。
以前、Hydro PTMX Proという製品もレビューさせてもらったんですが、今回のHydro TI ProはATプラス認証で最上位のチタンを取得。さらにこれ、読み方に迷っちゃう方が多そうですが、ラムダ認証と呼ばれているもので最高ランクのA++というのはつまりめっちゃ静かということです。FSPの強みでもある、高温多湿な環境でも問題なく動かせちゃうオフウェットテクノロジーも搭載。
過去の耐久性検証とその結果
以前、真夏に部屋を閉め切って暖房と加湿器をフルパワーで動かして検証したんですが、何一つトラブルなく動いていました。ただその検証の後、エアコンが故障しまして、今回は高温多湿環境での検証は控えました。許してください。
ちなみに、オフウェットテクノロジーは湿気に強いだけじゃなくて、ホコリなどの汚れからも内部パーツを保護してくれるので、普段あまり掃除機をかけないタイプの方にもおすすめな機能です。
Hydro TI Proスペックと価格
日本メーカー製の105度コンデンサを採用していたり、最大83.33アンペアの12Vシングルレーン設計に各種保護回路もきっちり搭載するなど、ハイエンドの名に恥じない充実したスペックです。お値段はかなり高め。この5つで比較するとだいぶ高く見えますけど、1000Wを超えるチタン認証の電源と比較してみると、実はそんなに高くなかったりもするんです。
Hydro TI Pro1000wの開封とパッケージの評価
では実際に開封していきましょうか。FSPの電源は今までいくつか触らせてもらってるんですけど、ミニPCでも入ってそうな茶色い段ボールで届きました。開けてみて気づいたんですが、常にFSPのパッケージが登場、二重構造になってたみたい。他の製品と同じく落ち着いたデザインではありますが、なんだか高級感が漂っているように感じます。
中身を見ていくと、何やら注意書きっぽいものを発見。おそらくこれは16ピンケーブルを無理やり曲げないでって書かれてるんではないかな。
製品の国内版との比較
今回海外から直接製品が送られてきたんですけど、どうも日本向けの製品ではないみたいで、パッケージから付属品まで日本語が一切見つからず。国内版との比較ができないんですが、もしかすると一部仕様が異なるかもしれないので、その点はご了承ください。
付属のシールとその評価
側面に貼り付けるシールも付属。ここに注意書きもありますけど、これごく普通のシールで、何度も付け直したりはできないタイプ。4万円という価格帯を考えると、マグネット式で交換できるプレートにするとか、こだわってほしかったなぁ。
あとはケーブルをまとめるバンドも入ってました。本体も取り出してみましょうか。はい、見た目はごく普通のATX電源です。使用上の寸法はこんな感じ。135ミリと大きめのFDBファンを内蔵しているのが特徴。
Hydro TI Pro1000wセミファンレス機能の魅力と使い方
ここにあるのは低負荷時にファンを止める、セミファンレス機能のオンオフを切り替えるスイッチ。この電源、高い負荷をかけても全くといっていいほど音が発生しないんですけど、とことん静音にこだわるならオンにしておくといいです。
低負荷時はファンを止めておいたほうがファンの寿命が延びるというメリットもあれば、常にファンを回しておいたほうが故障しづらいという意見もあったりで、セミファンデス機能の是非についてはちょくちょく小競り合いが起こります。この機能をどう使うかはお好みで判断してください。
各種コネクタの配置とケーブル類の紹介
各種コネクタの配置はこんな感じ。どこに何を挿せばいいのか書かれているのでわかりやすいです。じゃあケーブル類も見ていきましょう。コンセントにつなげるケーブルは3ピンタイプ。先ほども言いましたけど、うちに届いたのは日本向けの仕様ではないようなので、国内版だと違ったりするかもです。
3ピンケーブルの場合、こんな感じの2ピンに変換するアダプターをかますか、3ピン対応の延長ケーブルなどを用意する必要があります。ご自宅のコンセントが3ピンに対応していれば気にする必要はないですけどね。
マザーボードとグラボにつなげるケーブルの特徴
これはマザーボードにつなげる24ピンケーブル。かなり太くて硬いので、配線スペースが狭いケースだと取り回しは大変そう。こちらはグラボにつなげるPCIeの補助ケーブル。これ、細かいポイントですけどめっちゃいいと思ってまして、PCIeの補助電源ってこういう二股になってるケーブルが多いです。
でも今のグラボってコネクタごとに1本のケーブルを使うことが推奨されていて、二股になってても結局使わないですし、ケースの中でひょろひょろしてて邪魔になることが多いです。その点、このケーブルは二股になっても使えないので、このケーブルは使い分けが大変です。
PCIeとCPUの補助電源ケーブルの詳細
PCIeの補助電源は合計4本入ってて、二股ケーブルが1本で、残りの3本は分岐してないタイプ。ケースの中をなるべくきれいに整理したいかたにとって、このケーブルはめっちゃ喜ばれるんではないかなぁ。CPUの補助電源も2本付属。こちらは主にハイスペックなジーフォースで必要なケーブルです。
ケーブルの特徴と利便性
あとはサタやペリフェラルのケーブルが入ってるんですが、ここにも私がすごく気に入ってるポイントがありまして、このケーブル、よく見てください。これ、サタとペリフェラルが1本にまとまってるんです。
これが、サータとペリフェラルのケーブル。このケーブルは、キーペッターに接続されているので、キープがあっても使えないです。このケーブルの補助電源も2本入ってて、残りの3本は分岐してないタイプ。
はい。これ、SATAとPeripheralが1本にまとまってるんです。Peripheralは最近あまり見かけませんけど、サーマルテイクのファンとか一部製品では必要になることがあるんです。なるべくケーブルを少なくしたい私は、SATAとPeripheralが1本でまかなっちゃうのは本当に便利です。
ケーブルの接続方法
では実際に使用するケーブルをつなげていきましょうか。どのケーブルを何本使うかは、パソコンのパーツ構成に合わせて判断する必要があります。いずれにしても、きっちりと奥まで差し込んで、接触不良がないように気をつけてくださいね。私のメインPCの場合、使用するのは24ピンとCPUの補助電源を2本、それとグラボにつなげる16ピンケーブルのみです。はい、こんな感じで準備万端。
電源ユニットの奥行きについて
ケースに組み込む前に、電源ユニットの奥行きについて触れておきます。今回のハイドロTiプロは奥行きが150ミリで、以前デビューしたハイドロPTMXプロより長いです。私の感覚だとHydro TI Pro1000Wのチタン2以上で奥行き150ミリはかなりコンパクトなほうで、ハイドロPTMXプロのコンパクトさが異常です。私のメインPCはオープンフレームなので奥行きはそこまで気にしないんですが、実際にケースで使用する場合、奥行きの短さってめっちゃ大事だと思ってます。
電源ユニットの選び方と扱いやすさ
これは私のサブPCで、奥行き150ミリのハイドロGTプロを使ってます。最近のケースって電源横のスペースにこういう3.5インチのシャドーベイを搭載しているものが多くて、私は使わないので取り外しちゃってますけど、こいつがあると裏配線スペースにケーブルを詰め込む難易度がかなり高くなります。シャドーベイをフル活用するかたは特に、電源ユニットの奥行きはなるべく短いものを選んだほうが間違いなく扱いやすいです。
Hydro TI ProとPTMXプロの比較と評価
ハイドロTiプロはPTMXプロより奥行きは長いですけど、135ミリの大型ファンを採用して静音性を高めているのが特徴。今までハイドロPTMXプロをメインPCで使ってましたけど、この子も普通に静かですし、時短認証とかハイエンドにこだわりがなければこちらを選んでもいいと思います。
PC構成と消費電力の測定結果
どのようなケースを使って、どのようなパーツ構成のPCを組むのかによってベストなのかは、このケースの特徴はわかります。では実際にPCを動かして、用途ごとの消費電力をチェックしてみた結果をご紹介します。今回のパーツ構成はこんな感じ。グラボは4種類使ってみました。消費電力の計測は市販のワットチェッカーを使ったんですが、常に細かく変動するものなので、だいたいの数値でまとめています。
ストレステストと消費電力
まずはOCCTのストレステストを使用して、理論上は電圧が低いときに使うことが多いです。はい、とんでもない消費電力です。ハイステックPCは消費電力がやべえから大容量電源が必須だ!と判断するのは想定内です。OCCTはCPUとGPUを使用率100%で分回す、私が知る限り最も高負荷なストレステストですけど、実際にパソコンを使っててここまでの負荷を感じることができるのか、と考えました。
電源容量の選び方とセオリー
電源容量を選ぶとき、消費電力の2倍を目安に選ぶのが正解だぜ。というのが自作界隈でのセオリーですが、このグラフにまとめているストレステストは、電圧が低いときに使用する電源を選ぶことができるのか、と考えました。そして、電圧が高いときに使用する電源を選ぶことができるのか、と考えました。消費電力の2倍を目安に選ぶのが正解だぜ。というのが自作界隈でのセオリーですが、このグラフにまとめている数値は参考にしちゃダメですからね。
グラフィックボードとCPUの消費電力について
それとグラボの世代とCTUの消費電力にも注目してほしくて、すでに皆さんご存知のことと思いますが、GFORCEは前世代の30シリーズのほうが相次いで消費電力は大きめです。4070と3080は性能的にだいぶ近いんですけど、最大消費電力には差がありますよね。
CPUの電力設定も忘れてはいけないポイント。このときは制限解除のフルパワー状態でテストしたんですが、当然のことながら電力制限をかければ消費電力はもっと落ちます。
CINEBENCHのマルチコアによる消費電力
CINEBENCHのマルチコアを10分間回したときのおおよその消費電力はこんな感じ。4095Wというのは設定できる上限値というだけで、実際にCPUの消費電力が4000Wまで上がるというわけではありませんからね。
OCCTのログによる消費電力
OCCTのログをチェックしてみると、14700Kは無制限状態だと瞬間的に最大336Wくらいまで消費電力が上がるみたい。CPUやGPUと比較するとビビたるもんですが、メモリもわずかながら電力を消費しています。
K付きCPUと無印やF付きCPUの消費電力の違い
今回はK付きCPUを使いましたけど、無印やF付きCPUを65Wで運用するなら、もっと消費電力は落ちますからね。BTOなど市販のゲーミングPCなら基本的に電力制限が設定されていますし、ここまで消費電力が上がることは滅多にないので安心してください。
ゲーム起動中の消費電力
で、肝心のゲーム起動中の消費電力について、サイバーパンクのベンチマークモードを解像度ごとに回して、おおよその数値をまとめてみました。先ほどご覧いただいたOCCTのグラフと似たような傾向ですが、消費電力は大幅に落ちています。
ゲームによって変動はありますけど、基本的にはグラボがメインで動いて、CPUはそこまで使用しないものが多い印象です。
解像度による消費電力の違い
それと今回検証してて初めて気づいたんですが、どのグラボでも4KよりフルHDのほうが消費電力が上がるみたい。4KのほうがGPUの負荷は高いはずですし、消費電力も上がるものと思ってたんですけど、実際に計測してみると微妙に差があるんだなこれが。
サイバーパンクとFF14ベンチの消費電力比較
サイバーパンクはDLSSやフレーム生成に対応しているので、高解像度でも意外に負荷が軽いのかなと思って、FF14ベンチでも同じように試してみました。多少のばらつきはあるんですが、やはりこちらも4KよりフルHDのほうが消費電力は高めという結果に。
消費電力のモニタリング結果
理屈がわからなかったのでOCCTでベンチマーク継続中の消費電力をモニタリングしてみると、GPUの消費電力はフルHDより4Kのほうが上がってました。CPUの消費電力は4KよりフルHDのほうが上がってるんです。プレイするゲームによってかなり差は出てきそうですけどね、この辺詳しい方がいたらぜひコメントで教えてください。
で、このゲームの解像度は、GPUとCPUの2倍の差があるので、GPUの消費電力は4Kより4Kのほうが高いんです。
適切な容量の選び方
それでは、この構成だとどれくらいの容量を選べばいいですか?という質問が来る前にお伝えしておくと、FSPの公式サイトには、電源容量を計算してくれるページがあります。
インテルの14世代にはまだ対応していなかったり、完ぺきとは言えない感じではありますが、わりと現実的な数値を導いてくれて意外と役立つんです。
エヌビディアの公式サイトにもグラボごとの推奨電源容量が乗ってたりしますし、ドスパラにも電源容量を計算してくれるページがあります。
電力スパイクと容量選びの重要性
電力スパイクなんて気にしなくてもいいかというとそうでもなくて、例えばシューター系のゲームでランク昇格のかかった大切な試合中に突然パソコンがブルスクを吐いたら最悪です。大容量の電源を選んでおくのが正解じゃん。と判断するのも早いです。少しゆっくり説明させてください。
最新グラボの電力スパイクと容量選び
まず、RTX40シリーズなどの最新グラボは、最大で定格の3倍もの電力スパイクが発生すると言われているんです。私が使ってるパリットの4070Tiは定格が285Wなので、瞬間的に最大855Wのスパイクが発生する可能性があるということ。ゲーム起動中だとCPUやその他の電力も加算されますから、容量が1200Wくらいあれば、計算上は大丈夫という話になります。
ATX3.0とは何か、そのメリットについて
ただ電力スパイクのためだけにそこまでの容量を積む必要は一切なくて、この問題を解決してくれるのがATX3.0という新しい企画です。これはPCIeなら最大3倍、システム全体で2倍のスパイクに対応できるという企画のこと、つまり14世代のi7と4070Tiの組み合わせなら、ATX3.0に対応した850Wくらいの電源を選んでおけば問題ないということです。
ATX3.0非対応の電源について
セールとかで片落ちの電源が安くなっていることもよくありますけど、ATX3.0に対応していないものもありますので、心配なかたは避けたほうがいいかもです。実際のところ、どれくらいの頻度で電力スパイクって発生するんでしょうね。
今から新しく電源ユニットを買うなら、ATX3.0に対応したものを選んでおけば間違いない、というのは揺るぎない事実ですけどね。
FSP電源ユニットHydro Ti Pro1000wの評価
ということで今回はFSPの最新電源ユニット、ハイドロTiプロを使っていろいろ検証してみました。OCCTのストレステスト30分を何度も走らせたり、今まで以上に徹底的に電源をいじめてみましたが、ほんとにびっくりするほど音が聞こえてこないんです。
ATプラスの最上位にあたるチタン認証に価値があるのかという点については、正直に言ってしまうとホドロマンだと思ってます。変換効率は最も高いですけど、カイグレードと比べて電気代が劇的に安くなるというわけではありませんし、最もいいやつを使ってるんだという満足感を得られるのが大きいかなぁ。
まとめ
先ほども言いましたけど、ご使用になるケースによっては奥行きが短いハイドロPTMXプロを選んだほうが扱いやすいと思います。コスパ重視で大容量電源を選ぶならハイドロGTプロでも実用上は全く問題ないですし、どこまで電源にこだわるかは分からないです。
気になった人はぜひチェックしてみてください。最後まで読んでくださりありがとうございました。
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