iLoud Precision 5とMTM徹底レビュー!驚異の音響補正機能搭載モニタースピーカー

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iLoud Precision 5とMTM徹底レビュー!驚異の音響補正機能搭載モニタースピーカー

本記事では、昨年リリースされたIKマルチメディアのiLoud Precision 5とiLoud Precision MTMの徹底レビューをお届けします。これらのモニタースピーカーは、音響補正機能を搭載し、驚くべき音質を実現しています。特に低域の量感が抜群で、価格帯も競合が少なくお買い得です。音楽制作において、これらのスピーカーは最適な選択肢となるでしょう。ぜひ、詳細なレビューをチェックしてみてください。

iLoud Precisionシリーズ徹底レビュー

本日は昨年IKマルチメディアからリリースされた音響補正機能搭載のモニタースピーカー iLoud Precision 5とiLoud Precision MTM この2つの徹底レビューをお送りします。

ラインナップとデモ機の試用

iLoud PrecisionシリーズのラインナップはiLoud Precision 5、iLoud Precision 6、iLoud Precision MTMの3機種です。僕がお借りしたのはその中で最も安価なiLoud Precision 5とフラッグシップモデルであるiLoud Precision MTMになります。

共通機能:専用測定マイク

まずはそれぞれに共通する機能から説明していきます。iLoud Precisionシリーズにはこちらの専用の測定マイクが付属します。これはIKマルチメディアからリリースされている音響補正ソフトArc System 3やiLoud MTMというスピーカーに同梱されている測定マイクと同じものです。

XMonitorソフトウェアでの測定・補正

ただし測定と補正に関してはiLoud Precisionシリーズ専用のXMonitorという新しいソフトウェアで行います。

バックパネルの構成とサウンド調整ボタン

スピーカーのバックパネルをご覧ください。バックパネルの構成は3機種すべてで共通しています。まず4つのサウンド調整ボタンをご紹介します。独特な仕様になっていまして左からローフリーケンシーエクステンションです。普通はローカット、ハイパスフィルターがくることが多いのですが、iLoud Precisionシリーズは考え方が逆で低域を拡張していくという考え方になっております。

低域カットとEQ調整機能

フルにすると最も低域がよく出て50Hz、80Hzと急速に低域がカットされていきます。そしてローフリーケンシーとハイフリーケンシーの2つのEQでそれぞれ高域と低域の調整を行うことができます。

補正モードとオートスタンバイ機能

その隣には補正モードを選択するボタンがあり、何も補正をかけない状態、Xモニターで測定した補正をかけた状態、デスクへの共振を考慮した補正をかけた状態の3つを切り替えることができます。そしてその隣にはオートスタンバイモードのオンオフボタンがあります。

Xモニターソフトウェアと接続端子

ここまでのボタンによる操作はXモニターソフトウェア上でも行うことができ、ソフトウェアではさらに細かな調整が可能です。5つのボタンの下にはレベル調整のつまみ、コンピューターと接続するためのUSBポート、専用コントローラーを接続するための端子、入力端子に測定マイクを接続するための端子があります。

Xモニターソフトウェアでの補正

Xモニターソフトウェアについてご紹介します。現在ご覧いただいているのはコンピューターとLR2台のiLoud Precision MTMを接続し、補正をオンにした状態です。補正前の周波数特性は「Before」ここをクリックすることで見ることができます。

周波数特性のデコボコ問題

1がL、2がRです。ご覧いただいているようにかなり周波数特性にデコボコが見られます。特にこの150Hzから200Hzあたりが非常に気になります。ただこれに関しては6畳1間くらいの個人制作家の環境だと、どうしてもデスクに反響してこの150Hzあたりがブーストされてしまうと、そういう現象が起きがちで、なかなか休音などを丁寧に行っても改善することが難しかったりします。

周波数特性の測定と補正

また60Hz以下の部分というのもかなり盛り上がっているのですが、これは僕が今メインで使っているBearfoot Footprint 02というスピーカーの音響特性をSound ID Referenceというソフトウェアで測定した時には見られなかった傾向で、おそらくiLoud Precisionシリーズと僕の部屋の組み合わせによって起こる周波数の特性なのかなと推測しています。

EQ調整の方法

そしてL、Rそれぞれ補正された状態からさらにEQで追い込んでいくということもできます。バックパネルのボタン操作による補正では、ローフリーケンシーエクステンション、ローフリーケンシー、ハイフリーケンシーと3つのバンドしかなかったのですが、ソフトウェア上ではこのミッドも調整することができます。

プリセットによる簡単なEQ調整

このEQの補正に関してはプリセットがいくつも入っています。プリセットを選択することで、簡単にEQの調整をすることができます。デフォルトに戻すとフラットな状態になります。

その他の機能

さらにスタンバイタイマーの時間を設定することができたり、左右のディレイを調整することができます。そしてポイントがこの真ん中に表示されている4つのボタンです。これは別売りのiCloudプレッシャーシリーズ専用のコントローラーと同じ見た目をしていて、この4つのボタンに様々な機能を割り当てることができます。右クリックをすることで様々なプリセットや機能を割り当てることができます。

ARCトグルと補正のタイプ

ARCトグルは補正のオンオフでミュートディム。さらに補正のタイプをここから選ぶことができます。Precisionが最もフラットな特性でコンフォートがやや中低域が持ち上がったサウンドで、ハイフリクエンシープレゼンスっていうのがハイを持ち上げたサウンドです。

ワイドディスパージョンの機能

このワイドディスパージョンというのは、主張する耳の高さが変わっても音があまり変わらないようにするという設定のようです。立ち上がったり座ったり姿勢の変化によって聞こえる音があまり変わらないようにするというプリセットです。

iloud precision 8の特徴

そしてこちらのiloud precision 8の方はさらにレンジが広くなっています.。このスピーカーの特性を最大限に活かすために有名なスタジオモニターの特性を再現することができます。各メーカーの名前は伏せられた形になっていますが、なんとなくあのスピーカーだとはわかりますよね。

マルチメディアプリセットの内容

さらに、マルチメディアというプリセットの中には、テレビの周波数特性を模したもの、ポータブル bluetooth スピーカーを模したもの、そしてスマートフォンの特性を模したものが3つ入っています。

スマートフォン特性の評価

スマートフォンの特性を見てみましょう。かなり極端な特性です。ここまで極端な特性をロードしてしまうと、長時間の視聴はきついかなという感じがしました。どういう処理が行われているかというのはわからないのですが、長い時間聞いてると気持ち悪くなるなという感じがしました。

操作性の良さ

例えば、色々な特性を割り当てて、ボタン操作で補正後の特性を切り替えたり、ミュートボタン、ディムボタン、Precisionなどを使えば、ミュート、ディムなどの操作ができたり、かなり使い勝手がいいなと感じます。

フルスクリーン表示解除と最小化

さらに、フルスクリーン表示を解除した上で、最小化ボタンを押すと、4つのボタンだけを表示させることができます。今回、この別売りのコントローラーも一緒にお借りすることができたのですが、コントローラーがない場合でも、Xモニターのソフトウェアを小さくして画面の隅っこに表示させておくことで、クリック一つで様々な操作を行うことができます。

測定方法の紹介

測定方法に関してもご紹介しておきます。このキャリブレーションをクリックすると、測定のモードに移ることができます。測定は、マイクを直接スピーカーに接続して1台ずつ行います。

測定の手順

Xモニターのソフトウェアの表示に従って、耳の高さにマイクの高さを合わせて、4つのポイントでスピーカーから流れる音を測定すれば、測定完了です。正確な測定には、マイクスタンドを用意して、さらにこの1234のポイントをマーキングする必要がありますが、測定自体は5分から10分程度で簡単に終わります。

音質の感想(iloud precision 5)

肝心の音について僕の感じたままをお話ししていきたいと思います。まずは、こちら小さい方のiloud precision 5から、サイズからは想像できないレンジの広さです。特に低域の量感がすごかったです。

音質の感想(iloud precision 8)

iloud precision 8の方は、さらにレンジが広くなっています。本当にお買い得なスピーカーだと思います。

iloud micro monitorとの比較

僕はIKマルチメディアのiloud micro monitorという小さいスピーカーを持っています。これも本当にこのスピーカーからその音が出てるのという迫力が売りのスピーカーです。

precision 5の驚きの音質

このprecision5も同様にこのサイズのスピーカーからその音出てるんですかというくらいいい意味で嘘のような音がするんです。

IKマルチメディアの評価

IKマルチメディアっていうメーカーはモニタースピーカーというジャンルにおいてはかなり後発のメーカーで、最新の技術とか独自の思想のようなものがこのサウンドを作り出しているのかなぁと感じました。

音質の若干の懸念点

補正機能も含めて素晴らしいサウンド素晴らしいスピーカーだなと思ったのですが、若干中音域が飽和するというかにじむような印象を受けて、レンジが広くて迫力のある音を出すために何かしら犠牲にしているところがあるのかなとも少し感じました。

5インチスピーカーの魅力と価格

5インチのスピーカーは他のスピーカーには出せない良さがしっかりあります。素晴らしいクオリティだと思いましたが、価格で考えると5インチのスピーカーの割には値段が高くて他社のメーカーのもうワンランク上の大きいものが視野に入ってくるので小さいスピーカーでなくてもいい方は他の選択肢も検討しても良いのではないかと思いました。

iloudPrecisionMTMの評価

続いてこちら親玉のiloudPrecisionMTM。ものすごくレンジが広くてすごくローが出ます。6畳くらいの僕の部屋のような普通の部屋だと出すぎる低音を抑える方向にコントロールするという感じです。音に関しては本当に文句がないです。

iloudPrecisionMTMのデメリット

ただ一点だけ。やっぱり大きいです。大きいというか背がかなり高いです。なので高さを調整するのが難しいかなと思います。そしてその分重心も高くなるので、地震が怖いなと思いました。

デザインについての評価

強いて言うならば、デザインでしょうか。面白みはあまりなくて、正直なところあまり高級そうにも見えないです。ここは好みだと思いますが、そんなところにケチつけるしかないくらい、僕はいいなと思いました。

Precisionシリーズの価格と選択

iloud Precisionシリーズの現在の販売価格は、ご覧の通りです。僕は設置場所の問題っていうのを解決できるのであれば、PrecisionファイブPrecision6ではなく、こちらのMTMにしたほうがいいのではないかなと思いました。Precision5とMTMの価格差は、ペアでおよそ10万円くらいです。その価値は、十分にあると思います。10万円ケチるのはもったいないなというふうに思いました。

モニターソフトウェアの使い勝手

x モニターソフトウェアの使い勝手もかなりいいです。ソフトウェアファームウェアのアップデートで機能が追加されるという可能性もなきにしもあらずなので、ここからさらに価値が上がっていき使い勝手が向上するということもあり得ます。僕も今使っているスピーカーと交換してもいいよと言われたら、お願いしますと言っちゃいそうです。それくらい気に入りました。

IKマルチメディアの評価

先ほども言いましたが、IKマルチメディアはモニタースピーカーのジャンルではかなり高発のメーカーなので、先入観で食わず嫌いしてしまっている方もいらっしゃるかもしれませんが、100分は一見にしかずではないですが、ぜひどこかで試せる機会があったら、音を聞いてみてください。かなりいいです。

最後に

最後まで読んでいただきありがとうございます。今後の記事もよろしくお願い致します。次の記事でお会いしましょうありがとうございました。また次の記事で。

IK Multimedia iLoud Precision 5(ペア)(お取り寄せ商品)

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